アニメタン

深夜アニメについて主観的に語ります。アニメのテーマ、演出、メタ考察。自作リミックス、二次創作なども公開していきます。

「アクションヒロイン チアフルーツ」第2話の感想・評価!

 

ダークホース」「完璧な第1話」「ろこどる2期

などと密かに話題になっている2017夏アニメ、

 

アクションヒロイン チアフルーツですが、

 

その期待高まる中、第2話が放送されました。

今回も感想と評価を書きます!

 

一話の感想はこちら!

japananimestudy.hatenablog.com

 

 

 

 

 

第2話のあらすじ

城ヶ根御前が、杏と美甘とともに陽菜野市のアクションヒロインチームの仲間集めを始めると、緑川末那と青山元気が参加してくれる事に。御前の親友・黒酒路子は、声がかかるのを待っていたが肩透かしを食らう。末那の実家のお寺の本堂で稽古を始めるが、美甘の様子がおかしい。悪役を演じるときに受ける打撃のダメージで、体を痛めていた。美甘を思いやる御前は、ある人物に悪役を引き受けてくれるよう誘いかける。

 

というわけで、第2話は

城ヶ根御前の親友で生徒会副会長黒酒路子ちゃんの葛藤を描く

というのがメインストーリー。

 

脚本は変わらず荒川稔久さん、今回コンテに監督は入っていない。

では中身を振り返ってみよう。

 

 

第2話のおさらい

 

まず最初のカットは美甘のお風呂シーン!

一話にも、「美甘がトイレやお風呂で悩むシーン」が多くあったように

やはり「一人で悩むタイプの子」だという性格描写が丁寧にされている

あと、一方では脱ぎ担当ともいえるw

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美甘は、陽菜野市がピンチだと御前に押され、引き受けてしまった。

またやっちゃった~」と断れない日本人タイプの性格

 

御前は再来週にも次のカミダイオーショーをやりたいと言う。 

御前と美甘の対立の間で、コロコロ態度が変わる杏のアホかわいさ

 

 

ここでの回想シーン第一話の終盤の続きを描いているものだが、

その使い方がとてもうまい

 

アニメの回想シーンは、トーリー進行の補佐と共に

作画を省略できるという、コストカット的側面も持っている。

 

しかし、前の話数でのシーンをそのまま使ってしまうと、

視聴者は一気に集中力を失ってしまう

そういう回想を入れても、実際は誰も見ていない、無意味なシーンになるのだ。

 

 

そこで、前回の場面の続きを補完するという形で、

背景や立ち絵を使いまわしながらも、全く新しいセリフ・やり取りをさせる。

 

これによって、視聴者に話を思い出させつつ新たなストーリーを進め、

さらに場合によっては作画コストを下げることができるのだ。

 

この後にも回想シーンは何度か出てきて、第一話での場面を回想しているのだが

すべてのシーンで、過去のシーンをうまい具合に補完して流用している。

 

とても上手い構成・コンテだと感じる。

 

 

 

OP

前回の特殊OPではなく、正規OP

曲は「情熱☆フルーツ」、本アニメの声優ユニットトキメキ感謝祭」の曲。

コンテ演出は草川監督

 

一応OP用に描かれてるカットもあるだろう、走る動きは若干雑な感じ。

全体的にとてもシンプルで、やや味気ない気がしてくる。

特にサビ以降のピンク背景など、なんだこれ?という感じがする…

 

だが実は最後のカットで、

それまでカメラがステージを写していたかのような演出がされる。

 

OPサビ以降の絵は手作りのショーを写している という意味で、

意図的素人っぽい背景や草などになっているのかもしれない…

 

 

 

Aパート

 

路子はさっそく御前のプロジェクトを察して相談に乗ろうとするが

「大丈夫、路子には迷惑かけないから」

と御前に言われてしまう…

これに対して路子そりゃどうも…

としか言えなかった。

 

実は、これが第2話の起点となる、重要なやり取り。

 

 

私、暇なんだけどなぁ~」というさりげないアピールとは対照的に、

募集を見て自ら生徒会室にやってくる二人、緑川末那青山元気

 

先ほど路子にジュースをおごってもらっているにもかかわらず、

お客様にジュース!」と路子をパシリのように使う御前の態度。

 

路子の想いがうまく実を結ばない」という

第2話のメインプロットが、この段階で描かれている。

 

末那元気二人は新キャラにもかかわらず、

あっさりとしたキャラ紹介。

第2話のテーマ路子と決めた以上、余計な描写は省くという徹底した演出だ。

 

 

続いて路子の帰宅シーン。

駅員にただいまと挨拶をし、何事もなく向かう先には鉄道車両ハウス

この一連のシーンは、シュールなギャグシーンになっている。

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そして語られる御前と路子の関係。

 

おいおい、その前にその部屋は何だよ・・・

見るからに明らかな鉄道オタクである。

 

しかしこの後も含めて、

第2話で彼女の趣味が鉄道であるとは一切語られない

これはおもしろい演出である。

 

これだけの特徴的なキャラクター性を、あえてセリフで語らないこと

そのリアリティが増しているのだ。

 

彼女にとっては、この家も、鉄道趣味も、ごく当たり前の存在であり、

改めて説明するようなことではない、彼女の日常なのだという事が伝わってくる。

視聴者にとってはかなり異質なものなので、そのギャップが面白い。

 

 

鉄道のことはさておき、二人の過去が回想される。

二人はテニス部で、御前は実力トップのキャプテンだったが

御前には不運が重なって、結果を残せたのは路子だった。

その不運の内容もシリアスと思いきやギャグなのだが。

 

御前も不運な結果に対し強がってることを知る路子

実力が報われない御前に、何か手助けをしたいと考えている。

 

 

そして問題のあのシーン。

 

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!?

 

こいつ、しゃべるぞ・・・!?

 

 

 

これは正直ビビった。一瞬どういうことなのか意味が分からなかった。

しかし、このシーンをよく見ると、実は丁寧な演出がされている。

変形前と変形後のカットを見比べてみる。

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 お分かりいただけただろうか。

 

変形後の会話シーンから、若干画面が明るくぼんやりしているように見える。

画面全体にブラーかグローといった効果がかけられているのだ。

これは想像や妄想シーンで使われるお決まりの手法だ。

 

つまり、このシーンは、

路子の脳内を映していると、よく見れば分かるようになっている。

 

 

歌いだす模型人形。

奇を衒ったシュールギャグであるのは確かである。

それにしてもヤバいモノが見えてらっしゃる。

 

SHIROBAKOでも主人公の人形を使って、内面の葛藤を描くシーンがあったが、

ここでも、自分から仲間に入れてもらうよう行動すべきだと、路子は人形の姿をした別の自分に諭される。

自分から助けにいく事は、御前の実力を評価していないことになると考える路子。

模型は「めんどくさ!」と言う。路子は自分でも分かっているのだろう

 

 

いつの間にか動いていた人形は走る模型に戻り、

路子が煩わしいとスイッチを切った瞬間、画面はブラックアウトする。

 

スイッチで消える世界=非現実の世界 という、

これが幻想であるという演出がここでもされている。

 

 

 

Bパート

 

一方、御前たちプロジェクトチームは、緑川末那の実家のお寺で練習することに。

まさかの場所代請求w そして有料食事メニューw

ギャグでキャラが自然と溶け込んでいる。

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新ヒロインを考えてきた杏、アホかわいい。

 

 

 

路子は学校で御前にプロジェクトの様子を聞く

あっちの様子」というのが、いかにも言葉を濁してるという感じw

それとなく頼ってほしいと伝えるも、御前を取られてしまう。

御前は結構、杏を甘やかしてる感じがするw

 

 

 

衣装はタダで作るという末那。ここで一応全員のキャラが分かってくる。

あまりショーを作る過程での苦労は描かれない様子だ。

 

 

 

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路子は仲間に入れてもらえず、ついには保線作業員とか言い出すw

御前をとられた嫉妬で、少し意固地になっているが

その保線作業員でさえ、裏方ではないという父の言葉に

自分がやるべきだと思った時に行動するのが正しいということに気づく。

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採寸お着換え。毎度サービスシーンはあるらしい。

美甘に疲労がたまり、敵役の練習をしていた路子に絶好のチャンス。

しかし路子は隠れてしまう。調子に乗る可愛すぎ。

 

そして、路子に隠れてないで出てくるようにカマをかける御前

実は路子の心中を察していた模様。なかなか意地が悪いww

 

 

口説く御前とマッハで落ちる路子。ギャグみたいなリアクションをする後ろの三人。

なるほどこのカップルは互いにツンデレで意地張ってたのかw

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そしてあっという間にショー本番。会場はお寺の本堂

クオリティが上がり、オリジナリティも加わったカジュダイオーショー

基本的にパクる方針なのかw

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3回行った公演は大盛況。

なんと売り上げは100万円に届く。動員としては千人以上だろう。

コピー公演でここまで儲けが出るのはいろいろマズいんじゃ・・・

 

 

やはり問題が起きてしまう…

突然、檀家からの批判が殺到して、お寺の本堂が使えなくなってしまう

まあ遊びじゃなくても本堂でショーをやるのはマズいだろうなw

どうやらこの圧力の黒幕には、あの金髪ドリル娘がいる模様・・・

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ED

EDは、OP同じくトキメキ感謝祭の「陽の当たる場所」

絵コンテは風夏EDなど担当した胡蝶蘭あげはさん。

低予算感があり、かなり動きの枚数も少なく、未完成なのだろうか。

塗りも不思議な色合いである。

 

 

 

 

全体の感想

 

OP・EDはやや妥協したのかもしれないが、

本編に関しては、素晴らしい脚本・上手なコンテの作り方のおかげで

作画コストが下げられつつも、飽きないような画面になっていた。

 

やはりキャラの描写、セリフ回し、プロット非常に上手く作られていて、

見ていて特別それを感じない人にも、その自然さが優れている証拠だといえる。

 

第2話においても、脚本は言うことなし、演出も丁寧なので、

この調子で作画を保っていってほしい。