アニメタン

深夜アニメについて主観的に語ります。アニメのテーマ、演出、メタ考察。自作リミックス、二次創作なども公開していきます。

【2018冬アニメ】BanG Dream! 2nd Season 第一話感想&評価【16.5/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 BanG Dream! 2nd Season

バンドリの二期。制作スタッフや方針は総入れ替えで実質一期かも。

 

制作情報

監督:柿本広大 代表作/刀使ノ巫女
シリーズ構成:綾奈ゆにこ 代表作/電波女と青春男/きんモザ/ろこどる/少女たちは荒野を目指す/フリフラ etc
制作:サンジゲン 代表作/ブブキ・ブランキ/ID-0

 

一期とは打って変わって二期はフル3DCGアニメ

まさかのキャラ総出演全バンドでライブ演出

正直みてるだけで何人のモデラー・モーションアニメーターが使われたかが頭をよぎり、このIPの巨大さを感じたw

 

案の定クレジットが凄いことになっていた。

キャラのモデリング・リギング・モーションだけで延べ80名以上のスタッフ。

他CG制作も含めれば総勢100を超えるCG系スタッフ

サンジゲンがやれる全てをやった感がある。

 

モーションからライティングまで、小手先の編集ではなく、かなり制作環境を作り込んでこだわっているのがわかる。

生ライブをやっているコンテンツだけあって、楽器アニメーションコードポジションストロークなど完璧に再現されていた。

全パートでも小物含め全てに注力されており、その意気込みには敬意を表するレベルだった。

 

だが、そこまでやってあの違和感なのだ。

まるで生きている感じがしない絵だった

 

もちろんモデルは良く出来ていて可愛い。表情も細かく作ってある。

だがどこまでいっても「良く作られているな」という感想しかない。

 

これは慣れとかそういう問題ではなく、アニメCGにおけるリアリティとは何か、という話になってくる。

ピクサーなどは頭身を最適化し、表情によって人間性を追求しているが、日本の萌えはそうではない

VTuberなどは30FPS以上の顔も含めたフルタイムモーションキャプチャで文字通り現実と同じ動きを再現している。

けもフレたつき監督が、キャラはほとんど手で書き直す修正が必要だったと言っていたが、現状の解決策はそこなんだろう。

だが、必ずほかの方法があるはずだ。CGアニメだけで手書きに劣らない萌え感を出す学術的研究をもっと進めるべきだろう。

まあまた別に考察するかもしれないが、CGの話はこのへんで辞めよう。

 

脚本は導入として悪くなかった。全メンバーを登場させつつ、ポピパのメンバー描写もできていた。おたえかわいい。

まあ、こういうやり方で作品を作るノウハウというのは必ずどこかで生きるはずなので、悪い作品にはならないと思う。

とりあえず最後まで破綻が起きないよう期待しつつ見守りたい

 

作画4.5 脚本4 演出5 主観3

16.5/20点

 

 

【2018冬アニメ】モブサイコ100 Ⅱ 第一話感想&評価【18/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 モブサイコ100

 

モブサイコ100の二期。製作スタッフ等はほぼ同じか。

 

制作情報

監督:立川譲 代表作/名探偵コナン ゼロの執行人/モブサイコ100
シリーズ構成:瀬古浩司 代表作/亜人/いぬやしき
制作:ボンズ Bスタジオ 代表作/スペース☆ダンディ/赤髪の白雪姫

 

このアニメは一期がかなり良くて、

天才霊能力者モブ何の能力もない霊幻のハッタリに騙され続ける一方で、霊幻人間性には影響を受けて成長するというカタルシスと、

色んなことを我慢し続けることでモブの爆発ゲージがジワジワと溜まり、それが圧倒的パワーとなって解放されるカタルシスの、

二つの王道シナリオ構図が、脚本と作画によって見事に描かれていくアニメだった。

 

二期一話も、相変わらず戦闘作画の迫力や、モブの朴念仁なポンコツ具合と優しさのギャップが見事に描かれていた。

ギャグはそこまでだったが、エミとのストーリーなどはモブの成長を感じさせる胸熱なもので、一期をちゃんと受け継いでいて良かった。

ただ完全に一期視聴が前提の構成で、ややノローグの説明があっても良かった気はした。

 

一期のような出来になるを事を期待させるほぼ完璧な一話だった。

 
作画5 脚本4.5 演出5 主観4.5
18/20点

 

 

【2018冬アニメ】エガオノダイカ 第一話感想&評価【15/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 エガオノダイカ

タツノコプロ創立55周年記念作品。オリジナルアニメ。

 

制作情報
監督:鈴木利正 代表作/とある飛空士への恋歌/ 輪廻のラグランジェ
シリーズ構成:猪爪慎一 代表作/とある飛空士への恋歌/GANGSTA.
キャラデザ:中村直人 代表作/ハイスクール・フリート /僕は友達が少ない
制作:タツノコプロ 代表作/ガッチャマン クラウズ

 

王国の12歳の王女が主人公。

どうみても12歳には見えないが。

互いに親を亡くした幼馴染で15歳の近衛騎士の少年に思いを寄せている?ようだ。

そして敵対する?帝国にもう一人主人公がいるようだが一話では未登場。

 

王女は明るく無垢なようだが、現実世界はどうやらクラリス?という技術の開発だったり、帝国との関係が深刻な状況に見える。

散々王女が慕われている様子を描いておいて、ラストで王女に事実が隠されていることが明らかにする展開は驚いた

タイトルが「笑顔の代価」なので、おそらく結構ハードでシリアスな展開が来るのではないか。

脚本は今のところ期待できそう

 

キャラデザは良く、メカデザインもいい感じ。作画はやや崩れるところもあった。

戦闘はそこそこ見ごたえがあった。

ユウキちゃんの背中がエロい


作画3.5 脚本4 演出3.5 主観4
15/20点

 

 

【2018冬アニメ】W’z≪ウィズ≫ 第一話感想&評価【12/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 W’z≪ウィズ≫

ハンドシェイカー実質2期のGoHandsアニメ。

 

制作情報
監督:鈴木信吾・金澤洪充 代表作/ハンドシェイカー
シリーズ構成:金澤洪充 代表作/ハンドシェイカー
制作:GoHands 代表作/ハンドシェイカー/生徒会役員共

 

正直、あのアニメの続編やるのか…という印象で見たが、前作よりかはキャラが見やすい気がする。

前作は半ば介護アニメだったので、まともなヒロインが登場したのは悪くない

同性同士の組が増えていたり、世界観がどう変わったのか気になるところではある。

 

相変わらず作画?はクセが強い

情報量が多くいろんなものが動いてる中、カメラもグリグリ動くので酔いそう

前作同様こだわってるのは感じるがセンスがあるとは思えない。

 

そして脚本は、プロットはまだしもセリフ回しがクサすぎる

「電車であの子可愛いパシャ→噛み合わない…」とか気持ち悪い。

動きも相まってやや嫌悪感を覚える。

 

作画3 脚本3 演出4 主観2
12/20点

【2018冬アニメ】私に天使が舞い降りた! 第一話感想&評価【16/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 私に天使が舞い降りた!

今期の動画工房製アニメ「わたてん」。

 

制作情報
監督:平牧大輔 代表作/初監督
シリーズ構成:山田由香 代表作/小林さんちのメイドラゴン
制作:動画工房 代表作/ゆるゆり/未確認で進行形/NEW GAME! etc

 

ロリ小学生たちとロリコン姉のギャグコメディ

前期のうざメイドを思い出させる。

変態オネロリが流行りなのか。

 

妹ひなた→姉→花みたいな緩い三角関係になっていて見やすい

花はテンプレ感があるが、姉はコミュ障ロリコンだが行動力のあるまだよく分からない感じで、ひなたは天然元気系だがツッコミという良いキャラだった。

作画はかなりロリ感があり、見飽きた感じはなく安定して良い

コンテ・動画もさすが動画工房の一話という感じで良かった。


ギャグは濃くないものの、見飽きない程度に入っていて見やすい。

個人的にはひなたがめちゃくちゃ可愛く思えた

長江里加さん素晴らしい

そのひなたに対する姉の扱いが雑なのが、いいギャップになっていて面白い。

花や他キャラの魅力がもう少し出てくればかなり良い萌えアニメになりそうなので期待

OPとても良い

クレジットの入れ方、サビのダンスなど歴史を感じさせる名OP

 

作画4 脚本3.5 演出4 主観4.5
16/20点

 

【2018冬アニメ】ぱすてるメモリーズ 第一話感想&評価【10/20点】

2018冬アニメの第一話評価速報 ぱすてるメモリー

FURYUのソシャゲ「ぱすメモ」のアニメ化。

名前だけは知ってた。

 

制作情報
監督:篠崎康行 代表作/初監督
シリーズ構成:玉井☆豪 代表作/いぬかみっ!/ビキニ・ウォリアーズ
制作:project No.9 代表作/天使の3P!/りゅうおうのおしごと!

 

噂では制作現場が修羅場らしい。たしかに一話から既にヤバイ雰囲気がした。

 

オタク文化が廃れた世界のアキバが舞台とのことだが、

そのわりに主人公たちは量産型みたいなキャラで違和感。

 

どうやらファンタジー的要素が入ってくるらしい。

現状ソシャゲアニメの典型、キャラ萌え以外見どころのない作品に思える。


キャラ作画も違和感がある。

あんまり流行りの絵でもないし可愛くない、全員巨乳すぎ。


声優はアイマス感がある。EDは良い感じ

 

作画2 脚本2.5 演出3 主観2.5
10/20点

 

 

MADを制作時に考えている事。グリッドマン考察をはさみつつ。

 

先日、ニコニコ動画にて

第6回ANIMAAAD祭

というものが開催され、「SSSS.GRIDMAN」のMADを制作し投稿しました。

 

 

【MAD】壊れかけの街【SSSS.GRIDMAN】

 

 

 

 

 

今回のMADの説明

 

選曲の理由

同じ2018年秋アニメの

あかねさす少女」のEDテーマ、

壊れかけのRadio」(和島あみカバー)を使用しました。

 

選曲の理由は

  1. 新条アカネをテーマに作ろうとしていたため、アカネ繋がりで連想した
  2. EDのカバーアレンジが好きだったが、あまり認知されてなかった
  3. 思春期」「壊れかけ」「本当の幸せ」というワードがアカネにピッタリだと思った

こんな感じです。

 

MADテーマ 新条アカネの考察

そもそも、MADを作ろうと思ったのは、作品への愛というよりは、

自分の思うMADの世界観がこの作品だと作りやすい

と思ったからです。

イメージカットが多く、いわゆる「質アニメ」に最も近かったからです。

 

それで、なぜアカネをテーマに作ろうと思ったかというと、

SSSS.GRIDMANという作品の主人公はアカネであり、

一番の見どころは彼女の葛藤だと思っているからです。

他のキャラは正直理解できませんでした。

何を考えているかよく分からなかった。

なので私なりの解釈をして、咀嚼し、それをMADという別の形(妄想)で表現するには、この作品では彼女以外不可能でした。

 

 

新条アカネに対する私の解釈は、まずMADを見ていただきたいですが、

話の腰を折って説明してしまうと、

 

  1. 人間である。神というのは役割でしかない。
  2. 精神が未熟である。幼稚園児くらいの精神年齢。
  3. 孤独である。だが、それに気づいていない。
  4. 直情的だが、非暴力主義者である

 

1 人間である 神というのは役割でしかない

見れば分かる通り、人として葛藤があり、人の肉体を持つだけでなく、本質も人間であるということです。

TRPGゲームマスター的な神でしかなく、万物を操れるわけではないのです。

 

つまり、「好きなように街を作ってきた」という風に語られていましたがアレは誤りで、

彼女の街は常に不都合が生まれ、修正が必要になり、壊れかけつづけています

作らされているという状態です。

 

 

2 精神が未熟である 幼稚園児くらいの精神年齢

不都合に対してカッとなったり、自分が何をすればいいか分からないという、

人間性のあらわれでもあります。

子供で、我慢を知らないので、計画性もない。穢れも知らない

つまり、神であって創造主であるのに、中身は子供という状態です。

 

それは体の成熟と精神成熟にズレが生じ、心体のパワーバランスが乱れる

思春期と同じ状態だと思います。

 

 

3 孤独である だがそれに気づいていない

彼女の特質上、周りの人間は作り物でいわばNPCなので、彼女は孤独です。

しかしRPGゲームをやっていて寂しいなと思うことはない様に、

それに気づいていません

 

しかしやがて、周りの世界は飾り物行き場がないことに気づきます。

現実社会でも人は結局孤独ですが、それに気づくのは大人になってからです。

もちろん愛という選択も知ります。それから、本当の幸せとは何か考えます。

アカネもそこに考えが至ったのではないかと私は思います。

 

 

4 直情的だが 非暴力主義者である

アカネはすぐモノ(自分が作った怪獣のアンチくん含めて)にあたったり、暴力的で残酷な発言をするように見えますが、

実際は平和主義者です。

 

邪魔な人を消すという行為は、殺人のように見えて異なります。

彼女にとっては「問題の修正作業」です。

いなかったことにするので誰も悲しまないし、暴力とは異なるのです。

彼女は正気を失って響を暴力で「殺そう」としますが、その考えに至ったのは追い詰められたからで、最終的手段としてです。

それも、凶器はカッターナイフです。

当然それでは殺せませんでしたが、彼女はすっかり殺した気になって放心状態になっています。

このことからも、彼女に他人を傷つけたいという感情は無いことが分かります。

 

彼女は、自分と同じ人間に対しては、怒りを持っても常に取り繕って対応します

いや、むしろ取り繕ってる優しい姿が彼女の本当の姿のはずです。

そもそも、

あの世界が彼女の創造物である

彼女がそれを修正し続けている

ということを踏まえると、

彼女の世界の不都合への怒りは、自分への怒りと等しいです。

 

少し難しい話ですが、

自分の生んだ生命の自主的な行動(=実行結果)、

つまり「現象、生命活動、世界が動く原理それ自体」は

彼女の「」にあるもので、それに尊厳を感じているから、

その本人の前で本人に対して怒ったりはしません

それを作った自分(=ソースコード)、

行動を生み出した自分の設定への怒りを露わにするのです。

彼女が暴力をふるうのは常に自分の内側だけです。

彼女の世界は再生機です。

その設定と結果は彼女の管理する物ですが、

結果が導かれる原理、シミュレーション動作そのものは、彼女の外なのです。

 

 

以上が私のアカネの解釈です。

お気づきの通り、壊れかけのRadioの歌詞といくつかリンクしているかと思います。

これが今回のMADの原案です。

 

 

MADの核心的メインテーマ

そして、今回のMADは3分51秒~のシーンが一番最初に浮かんで、

それをやるためだけに作ったと言っても過言ではないです

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今回のMADの最大のテーマは、

 

アカネの作る世界は壊れているが何度も修復され続けてきた。

やがてそれはアカネの手を離れ始めて、本当に美しい世界を生み出そうとしている。

アカネはそれをどう思うのか。

 

というものです。

 

私はこの問い自体このシーンで表そうと思い、

この問いの答えMAD全体で表現しようと思いました。

だいたいこれで今回のMADの説明は全てです。

 

 

 

 

MADを作るときの考え方

 

3つのこだわり

私は、MADに対するこだわりが大きく3つあります。

 

  1. できるだけ元のアニメ素材を活かす。
  2. 別のイメージ・テロップはあまり使わない。核心的な表現では全力で使う。
  3. 見ている人が考える空白を作るor作らない。

 

1 元アニメの素材を活かす

まずMADの主体はアニメ作品そのもので、

そこに別の音楽を合わせて解釈を与えるのがMADの真髄だと思っています。

なので音楽以外の何か加えて解釈を変えるということはしたくありません。

原則としてアニメ構成物だけで作品を解釈します。

 

極論を言えば、アニメを部分的に切り取り、再配置するだけで別解釈を生み出すMADが至高だと思っています。

 

この考え方は、東浩紀氏の動物化するポストモダンという本を読んでいただければわかると思います。

MADとはシミュラークルであり、原作という設定やアニメの絵をデータベースとして消費する活動そのものです。

そのデータベースにないものは極力加えたくないというのは、ポストモダンオタク文化として当然の考え方かと思います

 

そのため、MAD制作で一番時間をかけるのが素材選びです。

全編を倍速で見直し、まず使えそうな部分を抜き出します。そこから使うものを比較して選びます。この作業に10時間ほどかけます。

 

 

2 別のイメージ・テロップはあまり使わない

演出として分かり易すぎるのは好きじゃないですし、

できればアニメの絵だけで感じ取れる解釈を共有したいので、

全く別の素材や極端なエフェクト、CGアニメーションを使うのは避けます。

3D空間配置もメタ感が強くなるのであまりしません。

 

演出は曲を最も意識していれます。

 

先ほど挙げた今回のグリッドマンMADの3分51秒~メインシーンは、こだわりがあったのでかなりCGを入れ込みました。

 

歌詞テロップは入れたい気持ちはあるのですが、

そこに目が行くとアニメの絵に集中できなかったりするので、どうしても欲しいところにいれます。

 

 

3 空白を入れる

一つは時間的空白、もう一つは画面的空白、そして解釈的空白です。

 

構成をするとき素材は山ほどあるので、カットはいくらでも作れるのですが、

かなりテンポを意識して意図的に間延びさせたりします。

長いブラックアウトは避けますが、できれば3秒くらい使いたいです。

 

画面も情報量が多いものと少ないものを意識して使い分けます。

動きだったり、静止画だったり、まぶしかったり暗かったり、緩急が大事だと思ってます。

 

解釈的空白は、

基本的には歌詞とリンクしていたり分かりやすいカットを選びますが、

たまに「何故この絵をここで出したのか?」というような抽象的カットも入れます。

人によって解釈が分かれたりするのも面白いと思うからです。

自分でも何となく選んだシーンから発見が生まれる時があります。

 

またこれら空白をあえて作らないことも、MADのテーマによってはあります。

音やリズムを重視したPV風MADではカットをいかに見せずに印象として受け取ってもらえるか考えます。

 

 

こんな感じで制作しています。

いずれこれとは正反対の、超演出型MADを作ってみようと思います。

見て何か解釈を受け取るというより、作品愛にあふれた、視覚的に楽しいMADにも挑戦してみたいと思っているからです。