【2018冬アニメ】ぱすてるメモリーズ 第一話感想&評価【10/20点】
2018冬アニメの第一話評価速報 ぱすてるメモリーズ
FURYUのソシャゲ「ぱすメモ」のアニメ化。
名前だけは知ってた。
制作情報
監督:篠崎康行 代表作/初監督
シリーズ構成:玉井☆豪 代表作/いぬかみっ!/ビキニ・ウォリアーズ
制作:project No.9 代表作/天使の3P!/りゅうおうのおしごと!
噂では制作現場が修羅場らしい。たしかに一話から既にヤバイ雰囲気がした。
オタク文化が廃れた世界のアキバが舞台とのことだが、
そのわりに主人公たちは量産型みたいなキャラで違和感。
どうやらファンタジー的要素が入ってくるらしい。
現状ソシャゲアニメの典型、キャラ萌え以外見どころのない作品に思える。
キャラ作画も違和感がある。
あんまり流行りの絵でもないし可愛くない、全員巨乳すぎ。
声優はアイマス感がある。EDは良い感じ。
作画2 脚本2.5 演出3 主観2.5
10/20点
MADを制作時に考えている事。グリッドマン考察をはさみつつ。
先日、ニコニコ動画にて
第6回ANIMAAAD祭
というものが開催され、「SSSS.GRIDMAN」のMADを制作し投稿しました。
【MAD】壊れかけの街【SSSS.GRIDMAN】
今回のMADの説明
選曲の理由
同じ2018年秋アニメの
「あかねさす少女」のEDテーマ、
「壊れかけのRadio」(和島あみカバー)を使用しました。
選曲の理由は
- 新条アカネをテーマに作ろうとしていたため、アカネ繋がりで連想した
- EDのカバーアレンジが好きだったが、あまり認知されてなかった
- 「思春期」「壊れかけ」「本当の幸せ」というワードがアカネにピッタリだと思った
こんな感じです。
MADテーマ 新条アカネの考察
そもそも、MADを作ろうと思ったのは、作品への愛というよりは、
自分の思うMADの世界観がこの作品だと作りやすい
と思ったからです。
イメージカットが多く、いわゆる「質アニメ」に最も近かったからです。
それで、なぜアカネをテーマに作ろうと思ったかというと、
SSSS.GRIDMANという作品の主人公はアカネであり、
一番の見どころは彼女の葛藤だと思っているからです。
他のキャラは正直理解できませんでした。
何を考えているかよく分からなかった。
なので私なりの解釈をして、咀嚼し、それをMADという別の形(妄想)で表現するには、この作品では彼女以外不可能でした。
新条アカネに対する私の解釈は、まずMADを見ていただきたいですが、
話の腰を折って説明してしまうと、
- 人間である。神というのは役割でしかない。
- 精神が未熟である。幼稚園児くらいの精神年齢。
- 孤独である。だが、それに気づいていない。
- 直情的だが、非暴力主義者である
1 人間である 神というのは役割でしかない
見れば分かる通り、人として葛藤があり、人の肉体を持つだけでなく、本質も人間であるということです。
TRPGのゲームマスター的な神でしかなく、万物を操れるわけではないのです。
つまり、「好きなように街を作ってきた」という風に語られていましたがアレは誤りで、
彼女の街は常に不都合が生まれ、修正が必要になり、壊れかけつづけています。
作らされているという状態です。
2 精神が未熟である 幼稚園児くらいの精神年齢
不都合に対してカッとなったり、自分が何をすればいいか分からないという、
人間性のあらわれでもあります。
子供で、我慢を知らないので、計画性もない。穢れも知らない。
つまり、神であって創造主であるのに、中身は子供という状態です。
それは体の成熟と精神成熟にズレが生じ、心体のパワーバランスが乱れる、
思春期と同じ状態だと思います。
3 孤独である だがそれに気づいていない
彼女の特質上、周りの人間は作り物でいわばNPCなので、彼女は孤独です。
しかしRPGゲームをやっていて寂しいなと思うことはない様に、
それに気づいていません。
しかしやがて、周りの世界は飾り物で行き場がないことに気づきます。
現実社会でも人は結局孤独ですが、それに気づくのは大人になってからです。
もちろん愛という選択も知ります。それから、本当の幸せとは何か考えます。
アカネもそこに考えが至ったのではないかと私は思います。
4 直情的だが 非暴力主義者である
アカネはすぐモノ(自分が作った怪獣のアンチくん含めて)にあたったり、暴力的で残酷な発言をするように見えますが、
実際は平和主義者です。
邪魔な人を消すという行為は、殺人のように見えて異なります。
彼女にとっては「問題の修正作業」です。
いなかったことにするので誰も悲しまないし、暴力とは異なるのです。
彼女は正気を失って響を暴力で「殺そう」としますが、その考えに至ったのは追い詰められたからで、最終的手段としてです。
それも、凶器はカッターナイフです。
当然それでは殺せませんでしたが、彼女はすっかり殺した気になって放心状態になっています。
このことからも、彼女に他人を傷つけたいという感情は無いことが分かります。
彼女は、自分と同じ人間に対しては、怒りを持っても常に取り繕って対応します。
いや、むしろ取り繕ってる優しい姿が彼女の本当の姿のはずです。
そもそも、
あの世界が彼女の創造物である
彼女がそれを修正し続けている
ということを踏まえると、
彼女の世界の不都合への怒りは、自分への怒りと等しいです。
少し難しい話ですが、
自分の生んだ生命の自主的な行動(=実行結果)、
つまり「現象、生命活動、世界が動く原理それ自体」は
彼女の「外」にあるもので、それに尊厳を感じているから、
その本人の前で本人に対して怒ったりはしません。
それを作った自分(=ソースコード)、
行動を生み出した自分の設定への怒りを露わにするのです。
彼女が暴力をふるうのは常に自分の内側だけです。
彼女の世界は再生機です。
その設定と結果は彼女の管理する物ですが、
結果が導かれる原理、シミュレーション動作そのものは、彼女の外なのです。
以上が私のアカネの解釈です。
お気づきの通り、壊れかけのRadioの歌詞といくつかリンクしているかと思います。
これが今回のMADの原案です。
MADの核心的メインテーマ
そして、今回のMADは3分51秒~のシーンが一番最初に浮かんで、
それをやるためだけに作ったと言っても過言ではないです
今回のMADの最大のテーマは、
アカネの作る世界は壊れているが何度も修復され続けてきた。
やがてそれはアカネの手を離れ始めて、本当に美しい世界を生み出そうとしている。
アカネはそれをどう思うのか。
というものです。
私はこの問い自体をこのシーンで表そうと思い、
この問いの答えをMAD全体で表現しようと思いました。
だいたいこれで今回のMADの説明は全てです。
MADを作るときの考え方
3つのこだわり
私は、MADに対するこだわりが大きく3つあります。
- できるだけ元のアニメ素材を活かす。
- 別のイメージ・テロップはあまり使わない。核心的な表現では全力で使う。
- 見ている人が考える空白を作るor作らない。
1 元アニメの素材を活かす
まずMADの主体はアニメ作品そのもので、
そこに別の音楽を合わせて解釈を与えるのがMADの真髄だと思っています。
なので音楽以外の何か加えて解釈を変えるということはしたくありません。
原則としてアニメ構成物だけで作品を解釈します。
極論を言えば、アニメを部分的に切り取り、再配置するだけで別解釈を生み出すMADが至高だと思っています。
この考え方は、東浩紀氏の動物化するポストモダンという本を読んでいただければわかると思います。
MADとはシミュラークルであり、原作という設定やアニメの絵をデータベースとして消費する活動そのものです。
そのデータベースにないものは極力加えたくないというのは、ポストモダンのオタク文化として当然の考え方かと思います
そのため、MAD制作で一番時間をかけるのが素材選びです。
全編を倍速で見直し、まず使えそうな部分を抜き出します。そこから使うものを比較して選びます。この作業に10時間ほどかけます。
2 別のイメージ・テロップはあまり使わない
演出として分かり易すぎるのは好きじゃないですし、
できればアニメの絵だけで感じ取れる解釈を共有したいので、
全く別の素材や極端なエフェクト、CGアニメーションを使うのは避けます。
3D空間配置もメタ感が強くなるのであまりしません。
演出は曲を最も意識していれます。
先ほど挙げた今回のグリッドマンMADの3分51秒~メインシーンは、こだわりがあったのでかなりCGを入れ込みました。
歌詞テロップは入れたい気持ちはあるのですが、
そこに目が行くとアニメの絵に集中できなかったりするので、どうしても欲しいところにいれます。
3 空白を入れる
一つは時間的空白、もう一つは画面的空白、そして解釈的空白です。
構成をするとき素材は山ほどあるので、カットはいくらでも作れるのですが、
かなりテンポを意識して意図的に間延びさせたりします。
長いブラックアウトは避けますが、できれば3秒くらい使いたいです。
画面も情報量が多いものと少ないものを意識して使い分けます。
動きだったり、静止画だったり、まぶしかったり暗かったり、緩急が大事だと思ってます。
解釈的空白は、
基本的には歌詞とリンクしていたり分かりやすいカットを選びますが、
たまに「何故この絵をここで出したのか?」というような抽象的カットも入れます。
人によって解釈が分かれたりするのも面白いと思うからです。
自分でも何となく選んだシーンから発見が生まれる時があります。
またこれら空白をあえて作らないことも、MADのテーマによってはあります。
音やリズムを重視したPV風MADではカットをいかに見せずに印象として受け取ってもらえるか考えます。
こんな感じで制作しています。
いずれこれとは正反対の、超演出型MADを作ってみようと思います。
見て何か解釈を受け取るというより、作品愛にあふれた、視覚的に楽しいMADにも挑戦してみたいと思っているからです。
【2018秋アニメ】最終評価一覧【ランキング】
2018年秋ア二メの完走した作品のみ評価し、感想を書きます。
今期は結末はともかく、放送中はかなり楽しめた作品が多いので豊作でした。
2018秋アニメランキング
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
作画 絵のうまさ
脚本 シナリオの良さ(ストーリー・セリフまわし)
演出 演出の良さ(コンテ・音響・効果など)
主観 個人的な好み・キャラデザ・配役
総合点 20点満点
13点 ふつう
14点 まあまあ良い
ーー15.5点ーー おすすめライン
16.5点~ 良い
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2018秋アニメ評価一覧
あかねさす少女 14点
作画3 脚本3.5 演出3.5 主観4
メッセージ性がハッキリしているのが最近のアニメでは珍しいと思えた。
パラレルワールドで生きる全く違う自分を体験して、人は行動次第で変われる、それによって世界も変わるという話だった。
各世界線でも、現実に起きている社会現象に問題提起するような事象をテーマにしていて良かったし、キャラ同士の会話などは見やすく面白かった。
黄昏王がアスカだったというのは唐突で、伏線が欲しかった。戦闘のCGは悪くなかった。
EDのアレンジも良かったが、作中の「ラジオ」の位置づけがやや不明確で、もう少し意味を持たせて重要なファクターにしても良かったと思った。
良かった回 #1 #3◎ #6 #7◎ #9◎
RELEASE THE SPYCE 17点
作画4.5 脚本4 演出3.5 主観5
なもり絵のアクション物ということで、プリプリや洋モノ映画のような本格的なスパイ感は皆無だが、途中衝撃的なミスリードを挟みつつ、うまく話を作った百合モノという感じ。各所の伏線の張り方は上手かった。
やはりスパイ作品というと「組織」と「己」で揺れ動く感情みたい展開が必要だが、ツキカゲになる理由も組織としての目的もあっさり目で、そういう葛藤の代わりに師弟関係と百合関係を入れ込んでいるという構造だった。なのでスパイというよりアクション忍者で、スターウォーズ的なカタルシスを使った作品だった。
一番の見どころはなもり絵の素晴らしいアクションで、絵のキレイさはもちろんのこと、動かし方、コンテが非常に良かった。結果として話の結末は無難だが、見てる間は様々な予想をしてしまうので楽しかったし、最後は師弟愛でまとまっていてガッカリ感は無かった。沖縄回のバイキングやテレジアはあまり活躍せずもったいなかった。
モモチの成長も一大テーマだと思うが、ライバルもいないし敵の強さも不明瞭で、そこはあまり説得力が無かった。OPはクセになる良曲。
良かった回 #1◎ #2◎ #3 #4 #7◎ #8 #10◎ #12
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない 7.5点
作画1 脚本2 演出2.5 主観2
絵は見ていて笑えたが、アニメ作品としては最低だろう。脚本も妹モノという比較的やりやすいジャンルにしてはイマイチ。妹の声だけは良かった。
ソラとウミのアイダ 17点
作画4 脚本4 演出4 主観5
これぞ2018年秋ア二メのダークホース。ゲームも知らず何の期待もしてなかったが、素晴らしかった。ソシャゲアニメというのは大抵推しキャラを愛でるためだけのモノになりがちだが、この作品はゲーム抜きにして成り立っていた。むしろ元がソシャゲということを忘れた方が良いレベルに脚本が巧だった。
宇宙漁師になるという大きなテーマはハッキリいってフェイクだ。一話からいきなり宇宙で漁をしてしまっているし。魚がいなくなった理由とかロケットの費用対効果とか、温暖化や宇宙資源という言葉でいくらでも「説明」ができることをあえて放置していたのも、世界設定自体は深く考えさせないためだろう。
それよりもこの作品は、自分の壁を壊し、境遇が異なる仲間を認めてチームとして一致団結するという話がメインだ。メイン6人のキャラ立ち、バランスがとても良く、各キャラそれなりに深く説得力のある問題を抱えていて、それを乗り越えていく過程が丁寧に描かれた。どのキャラも何かしら欠けていたりダメな部分があるのだが、それをキャラの愛おしさに変えてしまうようなリアルさがあった。
これはラジオで浅川悠さんも言っていたことなのだが、アニメはキャラクターの捨象が激しく、特徴しか描かれないので、記号化が激しい。この性質は普遍的で、ちびまる子ちゃんでも同じだ。しかし最近の1クールアニメの「時短・定型萌え」に慣れすぎると「そんなの、このキャラじゃない」という発想が視聴者に生まれてしまう。それはつまり「単純に記号化=萌にできないキャラ」を作るなということである。もっと分かりやすく言うと「美少女はゆめ可愛くない現実的な行動をするな」という考え方の視聴者が増えている。だがこれはアニメキャラをアイドルと錯覚した間違った考え方だ。
このアニメのメインキャラは、みんな自分勝手な行動をするけどルビーの事になると優しいみたいな、素直で子供らしい陰陽バランス感あるキャラ描写がされていた。一方でまわりの大人たちとは本心を隠したり素直に行動できなかったり対比があった。後半の隠蔽や国家権力との闘いは時事ネタ感もあって秀逸だ。
また春だけは作中で壁に当たることは無くまわりを引っ張っていったが、それができたのは過去のトラウマのおかげというのが、主人公描写としてあまり見ないパターンで、これこそ本当の意味で「主人公最強」であり、あえて主人公のトラウマをスルーするというのは素晴らしいやり方だと思った。
マキマキの声について最初は違和感しかなかったが、キャラに上手く合ってるような気がしてきた。春の演技も含め声優と音監はさすがだと思う。
作画は安定感というよりこだわりが感じられて良かった。あにトレの遺伝子を感じたw
良かった回 #4◎ #7 #8 #9◎ #10◎ #11 #12
SSSS.GRIDMAN 16点
作画4 脚本3.5 演出4.5 主観4
言いたいことはかなりあるが、総じて演出は良かった。風景作画、戦闘作画CGも良かった。
物語は、アカネのストーリーとしては理解できたが、アカネ以外のキャラや世界観はあまりよくわからなかった。
立花のアカネに対する感情は、何となくわかるが結論として見えない。最後の願いを伝えるシーンも、神と人間という関係の歪さという理屈は分かるし良いシーンだったが、立花の感情はふんわりとしかわからなかった。というか立花のキャラが雰囲気としてしか理解できなかった。
主人公の響も、結局記憶喪失前が一切描かれず、立花への思いも不確定で、もやもやが残った。生命と怪獣の対比は良く出来ていて、アンチの描写も良かったのに、主人公三人が本当に人形のまま終わった感がある。
そして最後の実写はどこまで核心的でメタ的なメッセージを込めてあるのか、計りかねる。アニメとしてかなり問題的な演出なだけに、もっと分かりやすい意味を込めてほしかった。
良かった回 #1 #2 #5◎ #6◎ #8 #9◎ #10◎
ゾンビランドサガ 17.5点
作画4 脚本4 演出5 主観4.5
2018年秋ア二メで最も演出が良かった。演出は今後のアニメに影響を与えると思う。とくにギャグ。全編通してギャグが見やすかったのも、ユーチューバー的なテンポ感、シュールな演出、声優の演技のおかげだろう。
ライブ演出はさすがサイゲ、アイマスその他アイドルもので培われたアクシデントからの王道演出で、最終回まで同じ手法なのは残念だったが感動的だった。CGをライブで使うこと自体は悪くないが、フレームの間引き方などもっと工夫が必要だろう。曲も非常によく、これはさすがエイベックスといったところ。
アニオリでここまで各社の得意分野の力が発揮されているのは大成功といえるだろう。脚本はリリィとサキのストーリーは素晴らしかったが、そのほかはやや物足りなかった。愛と純子の描写が被っていたせいだろう。
終わり方は大団円で良かった。二期の引きも残してたので期待したい。
良かった回 #2 #5 #7◎ #8◎ #9◎ #12
アニマエール 13点
作画3.5 脚本3 演出3.5 主観3
「きらら」らしさはあったが、チアはうまくなっても内面の変化や成長はほぼなく、ギャグも相変わらず。
ひづめの話はもうひと悶着あっても良いかったのでは。シリアス抜きとはいえさすがに無味無臭すぎる。
チアの作画は良かったがそれ以外はハンコ絵で普通。サーバルちゃんがチラついて仕方がなかったw
良かった回 #1 #4 #6 #9 #10
となりの吸血鬼さん 12.5点
作画3.5 脚本3 演出3 主観3
アニマエールと同じく、無味無臭アニメ。可愛さだけ見せるなら15分で十分。
固定メンバーがマンネリしすぎて同級生をもっと出したり展開がないとみる気すら起きない。
良かった回 #4 #6 #7 #9 #12
うちのメイドがウザすぎる! 15.5点
作画4 脚本4 演出3.5 主観4
ギャグアニメだが、ミーシャが可愛いしツッコミが秀逸。声優の力量が素晴らしかった。変態メイドのドン引きネタでゴリ押すため中だるみしそうだったが、みどりをうまく使って全話良くまとまっていた。チープなBGMを使いまわすのもシュールだった。
作画が安定していて、魅せるシーンで力を入れていたのがとても良かった。シリアスからの終わり方も文句なし。
良かった回 #2 #7 #10◎ #11 #12◎
ゴブリンスレイヤー 16.5点
作画4 脚本4 演出4.5 主観4
一話の衝撃から前半は物足りない感があったが、戦闘回はどれも良く、とても見ごたえがあった。
運要素の戦いでいかに戦略で勝ち筋を見出すか、その戦略がよく練られ勝率を100%に近いものにするほど死の際を彷徨う、というカタルシスが上手く表現されていた。
ただ、TRPG的世界観や剣の乙女の話などの描写は微妙で、原作を読んでないと正確に理解できないと思う。語りを使うのは稚拙すぎる。演出はしっかりしていても、それ自体が原作を見ないと想起できないようなモノなら意味がない。脚本で補って欲しかった。
またヒロインたち?とのやりとりも蛇足感、付け足してる感があって、牛飼娘か神官くらいはしっかり描写してほしかった。
良かった回 #1◎ #4 #5 #7◎ #10 #11 #12
CONCEPTION 13.5点
作画3 脚本3.5 演出3.5 主観3.5
バカすぎて笑ってしまうが、各キャラのストーリーはわりとしっかりしていた。まあ全員その後の描写が少なすぎてあまり意味ない掘り下げだったけど。アーフィーだけは伏線もあって丁寧だった。
有名声優も多くそれだけで面白いが、マナの演技はすごかった。下品すぎたがそこそこ笑えた。7話はめちゃくちゃ面白かった。
良かった回 #4 #6 #7◎ #8 #10
閃乱カグラ SHINOVI MASTER ‐東京妖魔篇‐ 12.5点
作画2.5 脚本3.5 演出3 主観3.5
話を引っ張るわりには解決が大したことない。が、その辺のバカさを楽しむアニメだろう。謎の乳揺れやエロカットは笑った。
キャラ推しアニメのわりに掘り下げは主人公たち以外なく、中途半端な気がした。主人公をうまく2人に分けているのは良かった。
作画が安定しなかったのが残念。
良かった回 #2 #3 #5 #6 #12
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 18.5点
作画4 脚本5 演出4.5 主観5
オムニバスっぽい形式で、青春の悩みとそのエネルギーを描いた作品。綺麗な純愛の形をとりつつ魅力的にサブヒロインを描いていた。
とくにメインの麻衣さんは脚本・演技ともに非常に魅力的に表現され、さらに麻衣への咲太の献身的行動も一番最初に印象付けられ、これは好きになるだろうなという純愛の圧倒的説得力になっていた。
ヒロインが多数いる作品は「メインヒロインが勝つ理由」を描ききるのが難しく失敗しがちだが、この作品はその不安が全くなかった。後半は二人で問題に向かうといった往年期のカップル感も描きつつ、ラストは王道的展開で綺麗に締め、関係の変化や成長を見せたのも素晴らしかった。
恋愛と並行して描かれた妹のストーリーは、咲太の別の面を描いていて、最終回の日記伏線回収は感動的だった。妹のキャラは安易に見せかけて、かなり思考して行動しているという深みを上手く描いていた。
構成や話のネタ的にハルヒや化物語と比較されるがそれとは別の良さもあり、ココロコネクトに近い感じの青春ドラマだった。
どの話数も非常に構成がよく、安定して面白かった。絵も特段素晴らしい作画ではなかったが安定感があった。しいていうなら、もっと迫力ある濃い演出があっても良かった。
良かった回 #1 #2 #3◎ #6 #8◎ #10◎ #11◎ #12◎ #13
色づく世界の明日から 18点
作画5 脚本4 演出4.5 主観4.5
超王道な青春ラブストーリー。一話のSF的世界観や魔法といったテーマは基本ラブストーリーに添えられた演出的テーマで、とにかく本筋は恋愛。
高校生ながらの将来設計、写真部の活動なども触れながら三角関係や素直になれない想いを描いていた。それは時に少女マンガのような酸っぱさであり、細田守監督作品や「TrueTears」「TARI TARI」「あの夏で待ってる」などの作品を思い起こさせた。どれも描写は丁寧で感情移入できるものだった。だが、いかんせん王道すぎてほとんどの展開が予想できてしまい、センチメンタルさやカタルシス的な失恋の哀愁は物足りなかった。「美少女転校生、それをとりまく三角関係、恋半ばで別れがせまる主人公たち、馴れ合いでごまかす恋愛」、どれも完璧に近い脚本だったが既視感が強かった。
特にヒロインである瞳美のキャラクターが非常に淡泊であり、感情の動き方も浅く単純なため、あまり魅力を感じなかった。そのため将・唯翔の好意はやや説得力に欠けた。
一方で、あさぎやクルミは序盤からきめ細やかな描写がされ、ありがちなキャラではあるが魅力的で恋愛も見ごたえがあった。唯翔に関してはトラウマや父との過去をもう少し明かしても良かったと思う。また総じてキャラのセリフがキレイすぎて、優等生感が出すぎていた。
作画に関しては、細かい表情、背景、光の描写に関して極めて優れていて、PA作品でも過去最高レベルのこだわりを感じた。
だが色覚異常の描写は、もっとこだわれるというか、色というワードが出たときだけ灰色になるのは安直で、瞳美の視点カットは全てモノトーンにするくらいの演出があっても良かった。背景を始めとした作画が最高レベルのため、綺麗という印象が強すぎて、瞳美の残酷な視界の印象が薄くなっていた。唯翔の絵の色づき演出はとても良かった。
このアニメの最大の見どころは、最終回のタイムワープ後の展開だ。本編で姉のような存在で瞳美を引っ張った琥珀が祖母として再開するシーンで、祖母が身内の不幸への思いを語り、タイムワープさせた動機を明かすシーンは感動的だった。そしてその後の絵本の伏線は非常に秀逸で、なぜ唯翔の絵は色が見えたのかという集約された最大の謎を見事に明かし、それに伴って物語の全容が一気に理解できて鳥肌モノだった。朗読演出は感動的で物語の結にふさわしい、最高のシーンだった。
全体通してクオリティは一級で、ギャグはほぼない真面目な作品だったが、少しインパクトは薄かった。もう少しトラウマ部分を深く描写してほしかったし、瞳美と唯翔にはもう一動きあって欲しかった。ただ終わり方は完璧だったので印象は非常に良かった。
良かった回 #1 #5 #6 #7 #10 #13◎
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あかねさす少女 16.5→17点
作画4 脚本3.5 演出4.5 主観4.5
話が膨らみそうでおもしろそうなストーリー。声優陣の演技が安定していい。
作画もいいし、音楽もいい、世界観も表現できてると思います。
長く感じるけど面白いタイプの作品。
第二話修正→作画-0.5 脚本+0.5 作画やや崩れてるか?話はいい感じ
第三話修正→脚本+0.5 脚本は素晴らしい。やや作画が不安か。
RELEASE THE SPYCE 16.5→18.5点
作画4.5 脚本3.5 演出4 主観4.5
可愛い。そして普通に見れるストーリー。スパイスという何やら怪しげな設定。
主人公の声優が安定してると見やすい。気楽に楽しめそうなアニメ。
第二話修正→作画+0.5 脚本+0.5 主観+0.5 主人公かわいい。作画良し。話良し。BGM良し。文句なし。最後まで難なくいけば神アニメの予感。
第三話修正→脚本+0.5 可愛い。ここまで主人公がかわいいアニメは珍しい。今のところ3話ともほぼ文句なしの出来。緊張感ありつつ可愛いという驚異的な戦闘描写は圧巻。しいて言うなら他の師弟間の描写がもっと欲しいが、今後描かれると思うので無問題だろう。
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない 12.5→10.5点
作画3 脚本3.5 演出3 主観3
最初の00年代作画の掴みは笑ったが、それ以降は特に面白くなかった。エロアニメとしてなら見る価値はあるかもしれない。キャラデザが微妙だった。
第二話修正→作画-1.5 主観-0.5 やっちまったな。未完成といえるものを放送してしまっては、評価のしようがない。製作スタッフは可哀そうだけど、一度ついた汚名は取り返しようがない。
転生したらスライムだった件 14.5→14.5点
作画4 脚本3.5 演出3.5 主観3.5
異世界転生ということで辛めの評価は免れないが、いまのところ作画はいいなあというだけの印象。
2Dデザインがまた凝ってるなあ、でもあんま好きじゃないです。中二病っぽいw
主人公の声優の演技はいい感じ。
第二話修正→脚本+0.5 主人公の演技と構成の良さで見やすさはある
第三話修正→主観-0.5 異世界ものの悪いところが出てきたなあ
ソラとウミのアイダ 12→14.5点
作画3.5 脚本2.5 演出3 主観3
ソシャゲアニメにしては作画頑張ってるなあと思ったけど、相変わらず脚本は何か足りない感がある。戦闘がつまらなすぎる。
声優はゲームの人起用してるから音監の責任というわけではなさそうだけど、アレはどうにかならなかったのか。
第二話修正→脚本+0.5 主観+0.5 日常話はそこそこ面白いかもしれない
第三話修正→作画+0.5 脚本+0.5 主観+0.5 脚本は無難になってきた、キャラがかわいいので見やすい。まきまきも味になってきたというかwルビーちゃん登場が楽しみ。
アニマエール! 15.5点
作画4 脚本3.5 演出3.5 主観4.5
ここ最近のきらら作品の中では見やすさ面白さ共に上位の作品だと思う。きららっぽいきららで王道だが、とくにきらら系には変わり映えを求めていないので普通に可愛くて満足感がある。主人公がまんまサーバルちゃんだが、やはり素晴らしい声だなあ。
第二話修正→なし 可愛い。キャラが増えるのを期待。
風が強く吹いている 14点
作画4.5 脚本3.5 演出3 主観3
絵はいいなあと思った。キャラもたってるとは思う。構成とセリフはいいけど話自体はちょっと微妙。キャラものアニメな感じがしてしまっていた。
視聴中止
でびどる! 11点
作画2 脚本3 演出3 主観3
少し前のノリを感じる。アニメというよりWEBラジオだな。
視聴中止
ソードアート・オンライン アリシゼーション 17点
作画4 脚本4.5 演出3.5 主観4
きたな~SAO、やはりおもしろい。作画はかなり安定してる。けどコンテはそんな良いとも思えなかったので、演出も作画もあんま印象に残ってない。途中のソウルトランスレーターやフラクトライトの解説も、感覚接続から記憶接続という説明になるほどそうきたかという発想で、原作売れただけあるなあと思いました(笑) 時間を割いてでも世界設定の説明するところはされているのは素晴らしい。ただ、一話は45分という尺で、前半と後半で別世界を描くのは、一期二期を見てない人は完全に置いて行かれる。アンダーワールドの話は少し雑だったように思えた。
第二話修正→なし 一話は低めに評価付けたけど、その評価がぴったりになった。また同じ俺TUEEするのかっていう既視感がすごい。同じカラクリで盛り上げようとしても飽きる。
ゴブリンスレイヤー 15→14点
作画4 脚本3.5 演出4.5 主観3
原作の噂知ってたけど、結構うまく表現してるのでは。エログロネタというよりも普通に面白かった。
まあ続きはそんな気にならないけど、どんな風に展開するのか期待。
第二話修正→演出-0.5 一話の面白さがピークな気がしてきた、語りは演出が足りない
第三話修正→作画-0.5 同じ展開ばかりのわりに描写が雑。急に薄っぺらくなった。
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 17.5→18.5点
作画4 脚本4.5 演出4.5 主観4.5
ちょっと設定やセリフは臭いけど、落ち着いてて過不足ない説明、飽きない展開、声優の演技どれも質が高かった。
キャラもモブまで可愛く描けてるし、作画も安定してる。今期では一話見て続きが一番気になった。
OPがペギーズというのが時代を感じるなあ(笑)
第二話修正→作画+0.5 脚本+0.5 主観+0.5 これは面白い作品だ。テーマも恋愛もいい、見終わった後の期待感は断トツで高い
第三話修正→演出-0.5 素晴らしい脚本。感動した。だけど最後のマイ先輩が認識されるシーン、もうちょっと演出多めにしてハッキリさせて、それに気づくマイ先輩の感情描写しても良かったと思う。物凄い恐怖と寂しさから解放されたはずなのに、あっさりすぎた。
SSSS.GRIDMAN 17→17.5点
作画4.5 脚本3.5 演出4.5 主観4.5
最近増えてきた特撮×アニメものだが、特撮好きでなくてもとっつきやすいような設定・デザインだった。戦闘やキャラデザだけでなく背景作画や色彩など全体的に絵が良かった。脚本は良し悪しあるものの、キャラの描写にはこだわっていて、演出の意図を感じた。話がどこまで深く、安っぽい作品にならないかが大事だと思う。円谷アニメとしても注目の作品。
第二話修正→作画+0.5 脚本+0.5 作画・CG共に素晴らしい。BGMなど演出も良。話も順調に動いている。さっそく敵の描写がされたが、どう展開するのか楽しみ。
第三話修正→演出-0.5 作画は文句なし。脚本も十分。新キャラに加え立花の描写もいい感じ。立花ちゃん人気は今期独走状態だなwただ今回はコンテが雨宮監督じゃなかったせいもあるのか、ややこれまでと雰囲気が違って演出が薄い感じがした。やや失速。
ゾンビランドサガ 15→16.5点
作画4 脚本3.5 演出4 主観3.5
前情報なしで見たので最初のシーンはマジで驚いたw一話みたく宮野の雰囲気でずっと押されたら飽きるけど。ギャグアニメとしてそこそこ面白そうだと期待。
第二話修正→脚本+0.5 主観+1 相変わらずゴリ押しだが割と面白いしラップも良かった
第三話修正→なし 公園でのギャグは面白かった。3Dも別にアリでは?
うちのメイドがウザすぎる! 16→15.5点
作画5 脚本4 演出3.5 主観3.5
動画工房2つ目。作画はめちゃくちゃ良い。ロリコンネタは面白かった。ミーシャもかわいい。第一話は非の打ちどころがなかったので、第二話も面白ければ高評価になりそう
第二話修正 作画-0.5 まあまあ面白いけどずっとこのままは飽きる。ミーシャちゃんかわいい。
となりの吸血鬼さん 13.5→14点
作画4 脚本3 演出3 主観3.5
きららと思いきや違う百合アニメ。絵はかわいいけど話はつまらないかなあ。キャラがぶっ飛んでる割にスベってる印象。15分尺ならいいけど30分は飽きる。もうちょっと展開や演出を入れてメリハリがないと辛い。
第二話修正 脚本+0.5 一話よりは面白かったけど相変わらずギャグが弱い。ボケとツッコミの役割がごちゃごちゃでメリハリがない。正直OPみたいな過激さがないと、絵がかわいいだけのアニメだなあ。
2018夏アニメ評価
2018夏ア二メの完走した作品のみ評価し、感想を書きます。
今期は不作だったなあ。
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作画 絵のうまさ
脚本 シナリオの良さ(ストーリー・セリフまわし)
演出 演出の良さ(コンテ・音響・効果など)
主観 個人的な好み・キャラデザ・配役
総合点 20点満点
13点 ふつう
15点 まあまあ良い
ーー15.5点ーー おすすめライン
16点~ 良い
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- 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 15点
- オーバーロード3 13.5点
- あそびあそばせ 13.5点
- ゆらぎ荘の幽奈さん 13点
- すのはら荘の管理人さん 11.5点
- アニメ「ISLAND」 12.5点
- はるかなレシーブ 16.5点
- ちおちゃんの通学路 14点
- ヤマノススメ サードシーズン 17点
- One Room セカンドシーズン 15.5点
- プラネット・ウィズ 17.5点
- 音楽少女 12点
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URAHARAというアニメ
久しぶりの投稿、アニメ自体最近全然見れてないですが、
たまたま機会があって見た2017秋アニメの
「URAHARA」
というアニメについて評価・考察します。
ネタばれ含むので、最終話まで見ていないで、今後見るかもしれない方は見ないでください。
このアニメはクランチロールという海外のネットアニメチャンネルが噛んでるアニメで、クールジャパン的な施策のアニメのようです。
舞台は原宿で、とあるショップでそれぞれ服飾・イラスト・スイーツその他をクリエイトする三人の少女の葛藤を描いています。
一応、人間関係的な青春も描かれますが、メインはクリエイターとしての葛藤です。
私が感じた主なテーマは以下の4つです。
- 創造とは何か(=文化とは何か)
- 創造の目的は何か
- 薬物とアート
- 仮想と現実
大体上から順に描かれていると思います。それぞれ考察していきます。
①創造とは何か(=文化とは何か)
この作品において、原宿は文化をクリエイトする人たちの町として描かれます。
その街にやってくるスクーパーズは創造が出来ない生物です。
主人公たちは人々が徐々にスクーパーズ化されていることを知ると、ある疑問を抱きます。
創造とは何かということです。
彼女たちは日々作品を作っていたり、知識を深めたりしてきましたが、
果たしてそこにオリジナリティはあるのか、結局は何かのマネではないのか、そう思うのです。
たしかにこれは難しい問題です。
完璧なオリジナリティだと思っても、必ず深層心理で何かの影響を受けています。
知識というのも、基本的に、だれか専門の人間が発見したりしたことの借りものです
私たちが「借り物なし」にクリエイトすることはできません。
しかし、「借り物からなるクリエイト」と、いわゆる「パクリ」には明確に差があるとこの作品は訴えています。それを説明するのが文化です。
文化というのは共同体における関係性です。やりとりです。
たとえ作品が何かに似ていたり、流行といったものであっても、
作る人、受け取る人の間に「好き」を伴うやりとりがあり、その関係性が作品・創作をより良くしていくのです。
原宿はそれがある街だと描かれいてます。
しかし、ここに問題点が新たに生まれます。
「やりとり」と「好き」によってクリエイトが成り立つなら、
果たして創造は孤独な人間に成り立つのでしょうか。
この問題に主人公のリトはぶつかりますが、詳しくは次の項で書きます。
②創造の目的は何か
主人公たち3人は、創作による喜びを「誰かに見てもらえて褒められた時」に感じています。
つまり「誰かに褒められないと創作に意味はない」というテーゼです。
3人はそれぞれ、その「誰か」が違います。
リトは今まで誰にもほめてもらえなかったので「誰でもいい誰か」ですが、仲間を求めています。
マリは承認欲求が強く「できるだけ多くの誰か」です。
コトコはフォロワーはいるものの、過去の体験やトラウマのせいで、「自分の人間性を理解してくれる誰か」です、そして創作内容自体にはあまり興味がないです。
一方でクレープ屋のさゆみんは、創作とは少し違う活動かもしれませんが、「自分が好きなものを作れる」「相手が笑顔になる」ことに喜びを感じています。
ポイントなのが無料で配るという点です。
「対価」を受け取らないということは、「評価」を受け取らないことを意味します。
これは「自分の好きなようにやらないと創作に意味はない」というアンチテーゼです。
この、創作活動の何に喜びを感じるか問題は、結構重要です。
ここで大事なのは、創作それ自体は芸術ではないということです。
なので、作品内にはいませんでしたが、お金儲けのためという人も現実にはいて、それも立派な理由です。
そして、三人ともPARKでの創作が自己目的化していきます。
他人に評価されたいと同時に、自分の好きを表現したい。
それはつまり、自己実現です。
創作においてこの「自己実現」をするというのが止揚として描かれています。
リトは孤独な環境を出て褒められることを知り、好きなものを書くということを知るのです。
③薬物とアート
個人的には、このアニメを見ていて勝手に勘ぐって一番感心してしまったのが、「スクーパーズを倒したときに出るスイーツ」です。
このスイーツ、実は少女たちをスクーパーズ化するもので、このスイーツのおかげで少女たちは具現化のパワーを得ることができていたのです。
・・・ん?
スクーパーズという「創造性のないもの」を倒すと「創造性の力」得ることができる、これは納得できます。
しかし、それによって徐々にスクーパーズ化する=長期的には創造性がなくなるのです。
つまり一瞬だけ力を得る系のクスリな訳です・・・
そして、このスイーツを食べ続けた主人公たちは、錯乱していきます。
気持ちのいい言葉しか聞こえなくなり、幻覚や幻聴が現れ、暴走し、体は醜くなっていくのです。
もうこの時点で、薬物のメタファーであることは明らかです。
街自体が妄想であったことにも気づきませんでしたし、スイーツを多量に摂取したシーンでさゆみんが巨大化して見える様子は、モロ薬物描写です。
クリエイター、とくにアーティストと薬物の関係は切っても切れません。
実際の数多くの名作品が、薬物によって生み出されたといえます。
薬物が常人にはできない発想を可能にするのは否めません。このアニメでも実際に力を得ていました。
しかし、アーティストの薬物疑惑が発覚したかのごとく、突然視聴者は彼女たちのスイーツの事実を知らされ、地獄に突き落とされます。
この描写の仕方は感心しました。
④仮想と現実
物語で描かれてきた原宿はすべて妄想でした。
主人公たちは憤慨し、創作は現実世界に存在し、リアルに接続しなければならないといいます。
ここには2つの意味があるように思えました。
1つは、創作はカタチにしなければならないということ。
頭の中にあるだけではダメなんだという主張です。
創作を発想と表現という過程に分けたとき、表現が大事だという考え方ですが
、これは現代の大量消費社会における、記号的なコンテンツに対する警鐘のようにも思えます。
「~要素(発想)」ばかり注目して詰め込んで、肝心の描写(表現)が薄い作品に対して、描写にもっと力をいれろというメッセージだと思います。
もう一つは、「リアル=日常に、意思とは別に、独立して、無為自然に作品が存在するべき」という主張です。
つまり、創作物は作り手の手を離れて公然と受け取られるべきということです。
作品は作品単体として、どんな批判も受け入れるべきだというメッセージを感じます
作品を妄想してもいいが、見る人、見られる環境、評価までも妄想してはいけないということです。
いかがでしたでしょうか。
アニメ自体の評価は、やや後半の構成が余ったことや作画など総合的にみてそんなに高くはないですが、描いた世界観は良かったと思います。
脚本がもう少し良かったらなあと少し残念です。
個人的には海外の方にどう見られたのかが気になりますね・・・
2017夏アニメ評価 名作あり!!
ようこそ実力至上主義の教室へ 16点
作画4
脚本4
演出4
主観4
設定、キャラも文句なく、話の進み・演出も先が読めなくて面白かった。だがキャラそろぞれの掘り下げ、具体的な描写がほとんどされずにいたのが残念、後半のドキドキ感も、キャラが読めないために何をするかわからないといったことから来るもので、終始それに終わってしまっているのがマイナスポイント。
NEW GAME!! 20点
作画5
脚本5
演出5
主観5
素晴らしいアニメでした。SHIROBAKOに並ぶ名作。一期も良かったがそれを超える出来だった。メリハリがあって、シリアスも十分だけど、基本ゆるい感じで見やすい。新キャラも良かった。満点を出せるアニメ。
6話の青葉が涙を拭うシーン、鳥肌モノの作画でした。
アクションヒロイン チアフルーツ 18点
作画3
脚本5
演出5
主観5
メイドインアビス 18点
作画4
脚本5
演出5
主観4
見ごたえがある割には印象が薄いかもしれない、絵も話もあと少し厚さがあると良かった。たぶん13話では足りなかったんだと思う。
6話以降はとても良かった。ミーティの話は悲しすぎる。なんだか最後まで救いのない話だった。演出も相まって13話は涙腺緩むのは必至。続きも気になるので2期に期待している。
プリンセス・プリンシパル 20点
作画5
脚本5
演出5
主観5
めっちゃおもしろかった。世界観をちゃんと書きつつ、美少女要素あり、感動要素ありの素晴らしいシナリオでした。時系列をバラバラに放送するハルヒ形式だったけど、そんなに分かりにくくなくて良かった。2期ありそうな終わり方なので期待してます!!
天使の3P! 14点
作画3
脚本4
演出3
主観4
変態アニメ、心情描写が無駄に入っているのが笑える。まあ幼女つよいということで、いちいち突っ込む気もないが、タイトルで3Pというのにどう聞いてもバッキングギターがいる4人編成であるはずの演奏をライブでやるのはどうなんだ・・・
異世界はスマートフォンとともに。 10点
作画3
脚本2
演出2
主観3
ゴミアニメといえるが、クソゲーにはクソゲーの楽しみ方があるように、この作品も割り切ってみればおもしろくなくはない。
ゲーマーズ! 14点
作画3
脚本3
演出4
主観4
最初のほうは喜劇的なすれ違いなのだが、ずっと同じ展開なので飽きるといったら飽きる。とくに無理のあるセリフが多いので、その辺アニメより原作のが楽しみやすいのではないか。