アニメタン

深夜アニメについて主観的に語ります。アニメのテーマ、演出、メタ考察。自作リミックス、二次創作なども公開していきます。

【2018秋アニメ】最終評価一覧【ランキング】

 

f:id:irohanihora:20181224181533j:plain

2018年秋ア二メの完走した作品のみ評価し、感想を書きます。

今期は結末はともかく、放送中はかなり楽しめた作品が多いので豊作でした。

 

2018秋アニメランキング

  1. 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
  2. 色づく世界の明日から
  3. ゾンビランドサガ
  4. ソラとウミのアイダ
  5. RELEASE THE SPYCE

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

作画 絵のうまさ

脚本 シナリオの良さ(ストーリー・セリフまわし)

演出 演出の良さ(コンテ・音響・効果など)

主観 個人的な好み・キャラデザ・配役

 

総合点 20点満点

13点 ふつう

14点 まあまあ良い

ーー15.5点ーー おすすめライン

16.5点~ 良い

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

2018秋アニメ評価一覧

 

あかねさす少女  14点

作画3 脚本3.5 演出3.5 主観4

メッセージ性がハッキリしているのが最近のアニメでは珍しいと思えた。
パラレルワールドで生きる全く違う自分を体験して、人は行動次第で変われる、それによって世界も変わるという話だった。
世界線でも、現実に起きている社会現象に問題提起するような事象をテーマにしていて良かったし、キャラ同士の会話などは見やすく面白かった。
黄昏王がアスカだったというのは唐突で、伏線が欲しかった。戦闘のCGは悪くなかった。
EDのアレンジも良かったが、作中の「ラジオ」の位置づけがやや不明確で、もう少し意味を持たせて重要なファクターにしても良かったと思った。
良かった回 #1 #3◎ #6 #7◎ #9◎

 

RELEASE THE SPYCE  17点

作画4.5 脚本4 演出3.5 主観5

なもり絵のアクション物ということで、プリプリや洋モノ映画のような本格的なスパイ感は皆無だが、途中衝撃的なミスリードを挟みつつ、うまく話を作った百合モノという感じ。各所の伏線の張り方は上手かった
やはりスパイ作品というと「組織」と「己」で揺れ動く感情みたい展開が必要だが、ツキカゲになる理由も組織としての目的もあっさり目で、そういう葛藤の代わりに師弟関係百合関係を入れ込んでいるという構造だった。なのでスパイというよりアクション忍者で、スターウォーズ的なカタルシスを使った作品だった。
一番の見どころはなもり絵素晴らしいアクションで、絵のキレイさはもちろんのこと、動かし方、コンテが非常に良かった。結果として話の結末は無難だが、見てる間は様々な予想をしてしまうので楽しかったし、最後は師弟愛でまとまっていてガッカリ感は無かった。沖縄回のバイキングやテレジアはあまり活躍せずもったいなかった。
モモチの成長も一大テーマだと思うが、ライバルもいないし敵の強さも不明瞭で、そこはあまり説得力が無かった。OPはクセになる良曲。
良かった回 #1◎ #2◎ #3 #4 #7◎ #8 #10◎ #12

 


俺が好きなのは妹だけど妹じゃない  7.5点

作画1 脚本2 演出2.5 主観2

絵は見ていて笑えたが、アニメ作品としては最低だろう。脚本も妹モノという比較的やりやすいジャンルにしてはイマイチ。妹の声だけは良かった。

 


ソラとウミのアイダ  17点

作画4 脚本4 演出4 主観5

これぞ2018年秋ア二メのダークホース。ゲームも知らず何の期待もしてなかったが、素晴らしかった。ソシャゲアニメというのは大抵推しキャラを愛でるためだけのモノになりがちだが、この作品はゲーム抜きにして成り立っていた。むしろ元がソシャゲということを忘れた方が良いレベルに脚本が巧だった。
宇宙漁師になるという大きなテーマはハッキリいってフェイクだ。一話からいきなり宇宙で漁をしてしまっているし。魚がいなくなった理由とかロケットの費用対効果とか、温暖化や宇宙資源という言葉でいくらでも「説明」ができることをあえて放置していたのも、世界設定自体は深く考えさせないためだろう。
それよりもこの作品は、自分の壁を壊し境遇が異なる仲間を認めてチームとして一致団結するという話がメインだ。メイン6人のキャラ立ちバランスがとても良く、各キャラそれなりに深く説得力のある問題を抱えていて、それを乗り越えていく過程が丁寧に描かれた。どのキャラも何かしら欠けていたりダメな部分があるのだが、それをキャラの愛おしさに変えてしまうようなリアルさがあった。

これはラジオで浅川悠さんも言っていたことなのだが、アニメキャラクターの捨象が激しく、特徴しか描かれないので、記号化が激しい。この性質は普遍的で、ちびまる子ちゃんでも同じだ。しかし最近の1クールアニメの「時短・定型萌え」に慣れすぎると「そんなの、このキャラじゃない」という発想が視聴者に生まれてしまう。それはつまり「単純に記号化=萌にできないキャラ」を作るなということである。もっと分かりやすく言うと「美少女はゆめ可愛くない現実的な行動をするな」という考え方の視聴者が増えている。だがこれはアニメキャラをアイドルと錯覚した間違った考え方だ。

このアニメのメインキャラは、みんな自分勝手な行動をするけどルビーの事になると優しいみたいな、素直で子供らしい陰陽バランス感あるキャラ描写がされていた。一方でまわりの大人たちとは本心を隠したり素直に行動できなかったり対比があった。後半の隠蔽や国家権力との闘いは時事ネタ感もあって秀逸だ。
まただけは作中で壁に当たることは無くまわりを引っ張っていったが、それができたのは過去のトラウマのおかげというのが、主人公描写としてあまり見ないパターンで、これこそ本当の意味で「主人公最強」であり、あえて主人公のトラウマをスルーするというのは素晴らしいやり方だと思った。

マキマキの声について最初は違和感しかなかったが、キャラに上手く合ってるような気がしてきた。春の演技も含め声優と音監はさすがだと思う。
作画は安定感というよりこだわりが感じられて良かった。あにトレの遺伝子を感じたw
良かった回 #4◎ #7 #8 #9◎ #10◎ #11 #12

 


SSSS.GRIDMAN  16点

作画4 脚本3.5 演出4.5 主観4

言いたいことはかなりあるが、総じて演出は良かった風景作画戦闘作画CGも良かった。
物語は、アカネのストーリーとしては理解できたが、アカネ以外のキャラや世界観はあまりよくわからなかった。
立花アカネに対する感情は、何となくわかるが結論として見えない。最後の願いを伝えるシーンも、神と人間という関係の歪さという理屈は分かるし良いシーンだったが、立花の感情はふんわりとしかわからなかった。というか立花のキャラが雰囲気としてしか理解できなかった
主人公の響も、結局記憶喪失前が一切描かれず、立花への思いも不確定で、もやもやが残った生命と怪獣の対比は良く出来ていて、アンチの描写も良かったのに、主人公三人が本当に人形のまま終わった感がある。
そして最後の実写はどこまで核心的でメタ的なメッセージを込めてあるのか、計りかねる。アニメとしてかなり問題的な演出なだけに、もっと分かりやすい意味を込めてほしかった。
良かった回 #1 #2 #5◎ #6◎ #8 #9◎ #10◎

 


ゾンビランドサガ 17.5点

作画4 脚本4 演出5 主観4.5

2018年秋ア二メで最も演出が良かった。演出は今後のアニメに影響を与えると思う。とくにギャグ。全編通してギャグが見やすかったのも、ユーチューバー的なテンポ感、シュールな演出、声優の演技のおかげだろう。
ライブ演出はさすがサイゲアイマスその他アイドルもので培われたアクシデントからの王道演出で、最終回まで同じ手法なのは残念だったが感動的だった。CGをライブで使うこと自体は悪くないが、フレームの間引き方などもっと工夫が必要だろう。曲も非常によく、これはさすがエイベックスといったところ。
アニオリでここまで各社の得意分野の力が発揮されているのは大成功といえるだろう。脚本はリリィとサキのストーリーは素晴らしかったが、そのほかはやや物足りなかった。愛と純子の描写が被っていたせいだろう。
終わり方は大団円で良かった。二期の引きも残してたので期待したい。
良かった回 #2 #5 #7◎ #8◎ #9◎ #12

 

 

アニマエール  13点

作画3.5 脚本3 演出3.5 主観3

きらら」らしさはあったが、チアはうまくなっても内面の変化や成長はほぼなく、ギャグも相変わらず。
ひづめの話はもうひと悶着あっても良いかったのでは。シリアス抜きとはいえさすがに無味無臭すぎる。
チアの作画は良かったがそれ以外はハンコ絵で普通。サーバルちゃんがチラついて仕方がなかったw
良かった回 #1 #4 #6 #9 #10

 


となりの吸血鬼さん  12.5点

作画3.5 脚本3 演出3 主観3

アニマエールと同じく、無味無臭アニメ。可愛さだけ見せるなら15分で十分。
固定メンバーがマンネリしすぎて同級生をもっと出したり展開がないとみる気すら起きない。
良かった回 #4 #6 #7 #9 #12

 


うちのメイドがウザすぎる!  15.5点

作画4 脚本4 演出3.5 主観4

ギャグアニメだが、ミーシャが可愛いしツッコミが秀逸声優の力量が素晴らしかった。変態メイドのドン引きネタでゴリ押すため中だるみしそうだったが、みどりをうまく使って全話良くまとまっていた。チープなBGMを使いまわすのもシュールだった。
作画が安定していて、魅せるシーンで力を入れていたのがとても良かった。シリアスからの終わり方も文句なし。
良かった回 #2 #7 #10◎ #11 #12◎

 


ゴブリンスレイヤー  16.5点

作画4 脚本4 演出4.5 主観4

一話の衝撃から前半は物足りない感があったが、戦闘回はどれも良く、とても見ごたえがあった。
運要素の戦いでいかに戦略で勝ち筋を見出すか、その戦略がよく練られ勝率を100%に近いものにするほど死の際を彷徨う、というカタルシスが上手く表現されていた。
ただ、TRPG的世界観や剣の乙女の話などの描写は微妙で、原作を読んでないと正確に理解できないと思う。語りを使うのは稚拙すぎる。演出はしっかりしていても、それ自体が原作を見ないと想起できないようなモノなら意味がない。脚本で補って欲しかった。
またヒロインたち?とのやりとりも蛇足感、付け足してる感があって、牛飼娘か神官くらいはしっかり描写してほしかった。
良かった回  #1◎ #4 #5 #7◎ #10 #11 #12

 


CONCEPTION  13.5点

作画3 脚本3.5 演出3.5 主観3.5

バカすぎて笑ってしまうが、各キャラのストーリーはわりとしっかりしていた。まあ全員その後の描写が少なすぎてあまり意味ない掘り下げだったけど。アーフィーだけは伏線もあって丁寧だった。
有名声優も多くそれだけで面白いが、マナの演技はすごかった。下品すぎたがそこそこ笑えた。7話はめちゃくちゃ面白かった
良かった回 #4 #6 #7◎ #8 #10

 

 

 閃乱カグラ SHINOVI MASTER ‐東京妖魔篇‐  12.5点

作画2.5 脚本3.5 演出3 主観3.5

話を引っ張るわりには解決が大したことない。が、その辺のバカさを楽しむアニメだろう。謎の乳揺れやエロカットは笑った。
キャラ推しアニメのわりに掘り下げは主人公たち以外なく、中途半端な気がした。主人公をうまく2人に分けているのは良かった。
作画が安定しなかったのが残念。
良かった回 #2 #3 #5 #6 #12

 

 

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない  18.5点

作画4 脚本5 演出4.5 主観5

オムニバスっぽい形式で、青春の悩みとそのエネルギーを描いた作品。綺麗な純愛の形をとりつつ魅力的にサブヒロインを描いていた。
とくにメインの麻衣さん脚本・演技ともに非常に魅力的に表現され、さらに麻衣への咲太の献身的行動も一番最初に印象付けられ、これは好きになるだろうなという純愛の圧倒的説得力になっていた。
ヒロインが多数いる作品「メインヒロインが勝つ理由」を描ききるのが難しく失敗しがちだが、この作品はその不安が全くなかった。後半は二人で問題に向かうといった往年期のカップル感も描きつつ、ラストは王道的展開で綺麗に締め、関係の変化や成長を見せたのも素晴らしかった。
恋愛と並行して描かれた妹のストーリーは、咲太の別の面を描いていて、最終回の日記伏線回収は感動的だった。妹のキャラは安易に見せかけて、かなり思考して行動しているという深みを上手く描いていた
構成話のネタ的にハルヒ化物語と比較されるがそれとは別の良さもあり、ココロコネクトに近い感じの青春ドラマだった。
どの話数も非常に構成がよく、安定して面白かった。絵も特段素晴らしい作画ではなかったが安定感があった。しいていうなら、もっと迫力ある濃い演出があっても良かった
良かった回 #1 #2 #3◎ #6 #8◎ #10◎ #11◎ #12◎ #13

 

 

色づく世界の明日から  18点

作画5 脚本4 演出4.5 主観4.5

超王道な青春ラブストーリー。一話のSF的世界観魔法といったテーマは基本ラブストーリーに添えられた演出的テーマで、とにかく本筋は恋愛
高校生ながらの将来設計、写真部の活動なども触れながら三角関係素直になれない想いを描いていた。それは時に少女マンガのような酸っぱさであり、細田守監督作品や「TrueTears」「TARI TARI」「あの夏で待ってるなどの作品を思い起こさせた。どれも描写は丁寧で感情移入できるものだった。だが、いかんせん王道すぎてほとんどの展開が予想できてしまい、センチメンタルさカタルシス的な失恋の哀愁は物足りなかった。「美少女転校生、それをとりまく三角関係、恋半ばで別れがせまる主人公たち、馴れ合いでごまかす恋愛」、どれも完璧に近い脚本だったが既視感が強かった
特にヒロインである瞳美のキャラクターが非常に淡泊であり、感情の動き方も浅く単純なため、あまり魅力を感じなかった。そのため将・唯翔の好意はやや説得力に欠けた。
一方で、あさぎやクルミは序盤からきめ細やかな描写がされ、ありがちなキャラではあるが魅力的で恋愛も見ごたえがあった。唯翔に関してはトラウマや父との過去をもう少し明かしても良かったと思う。また総じてキャラのセリフがキレイすぎて、優等生感が出すぎていた。
作画に関しては、細かい表情、背景、光の描写に関して極めて優れていて、PA作品でも過去最高レベルこだわりを感じた。
だが色覚異常の描写は、もっとこだわれるというか、色というワードが出たときだけ灰色になるのは安直で、瞳美の視点カットは全てモノトーンにするくらいの演出があっても良かった。背景を始めとした作画が最高レベルのため、綺麗という印象が強すぎて、瞳美の残酷な視界の印象が薄くなっていた。唯翔の絵の色づき演出はとても良かった。
このアニメの最大の見どころは、最終回のタイムワープ後の展開だ。本編で姉のような存在で瞳美を引っ張った琥珀が祖母として再開するシーンで、祖母が身内の不幸への思いを語り、タイムワープさせた動機を明かすシーンは感動的だった。そしてその後の絵本の伏線は非常に秀逸で、なぜ唯翔の絵は色が見えたのかという集約された最大の謎を見事に明かし、それに伴って物語の全容が一気に理解できて鳥肌モノだった。朗読演出は感動的で物語の結にふさわしい、最高のシーンだった。
全体通してクオリティは一級で、ギャグはほぼない真面目な作品だったが、少しインパクトは薄かった。もう少しトラウマ部分を深く描写してほしかったし、瞳美と唯翔にはもう一動きあって欲しかった。ただ終わり方は完璧だったので印象は非常に良かった
良かった回 #1 #5 #6 #7 #10 #13◎